ロジスティクスKPIを活用する
ロジスティクスでもKPIの活用が広く浸透してきています。KPIとはKey Performance Indicator(重要業績評価指標)の略で、目標達成する為の重要な業績評価の指標を指します。WMSの導入目的の成果を定量的に測定する指標としてKPIを活用します。
目次
なぜロジスティクスKPIが注目されるのか
KPIはWMSの導入目的設定のために重要な指標になりますが、最近では物流におけるアウトソーシングの前提条件として有効に活用できることが注目され始めました。従来のアウトソーシングでは、品質とサービスの対価として、どこまでアウトソーシング費用を考慮すればよいのかという客観的な基準がありませんでした。精神論に近い、「出来るだけ誤出荷しない」「頑張って納品時間を守る」という曖昧な基準を基に評価されておりました。
しかし、荷主(委託元)とアウトソーシング会社(委託先)がKPIという客観的な評価基準を基に会話をすることでお互いの作業とそれに値する正当な対価の責務も明確化できるようになりました。
ロジスティクスKPIで社内の評価指標として活用
社内においても、物流部門においても評価を適正に行うためにKPIが活用できます。ここである会社の例を紹介いたします。
メーカーA社は、もともと自社で物流部門を設置していましたが、営業部門が取引先に頼み込まれて、集荷時間ギリギリまで当日出荷を受け付けていたことも何度もありました。そのような物流部門以外で発生するイレギュラーに柔軟に対応しすぎた結果、その他の案件にも影響が出てしまい、納品ミスや出荷遅れなど多発する事態に発展してしまいました。その結果、物流部門では低い評価しか受けられず、自社の物流部門を解体し、アウトソーシング化するという方針転換がなされました。
ところがアウトソーシング後は、委託先と費用面での折り合いがつかず、契約を破棄する事態となってしまいました。
なぜアウトソーシングがうまくいかなかったのか?
アウトソーシングに移行する際、前提となる作業にイレギュラーを含まなかったことが原因と考えられます。自社で賄っていた時でも目に見える費用は発生しませんが、見えない部分でもコストという面では発生していたはずです。
そのコストをきちんと計算できずにアウトソーシング会社と適切な契約を結ばなかったことで、イレギュラーの費用が嵩み、結果的に融通が利かなくなってしまったが為に、取引先へのサービス低下を招く結果となってしまったのです。
そして売り上げそのものも減少し、物流業務に対する評価がさらに低下する結果となってしまったのです。
物流サービス・アウトソーシングが自社に最適かを判断する
このようにイレギュラー対応まで含めた業務分析と、評価基準・サービスレベルの基準を設定しないまま外部へ委託したことが原因で破綻してしまうのです。
根本的な解決をせずに、うまくいかなかったからと委託先を変更しても、結局同じことが起こってしまいます。
アウトソーシングの際にもKPIを活用することは、自社の物流サービスやアウトソーシング先の機能が最適か、否かを判断する最も重要な指標となります。
まとめ
KPIを活用していても、達成できない指標を作っても意味がありません。現状に即した達成可能なKPIを適切に決めていくことが大切です。
絵に描いた餅では結局活用できない事になります。トミーズコーポレーションではSKU数の多い管理の複雑なアパレル物流に20年携わってきました。その経験を活かし、皆様の抱えている物流業務の疑問やお悩みに応えることが出来ます。
トミーズコーポレーションでは、KPIにのっとった適切なご提案が可能です。自社での物流業務に限界を感じられた場合はアウトソーシングはもちろん、自社物流の場合でも物流コンサルティングをご提案することが可能です。是非一度、ご相談ください。
物流コンサルティングサービス