トラック輸送における物流コスト上昇の解決法
以前のブログ記事(国内の物流事業にはどんな種類があるの?)で記載した通り、これまでの日本の物流は輸送量の90%以上をトラック輸送が担っています。ただ、ここ数年でEC市場が右肩上がりであることから、トラック輸送の需要が供給を上回ってしまっています。需要が供給を上回ってしまうと、価格競争の論理が崩れることからトラック輸送のコストが上昇し、普段トラック輸送に依存している企業が悲鳴を上げることになります。そのため、本日はトラック輸送のコスト上昇に対する解決策を紹介致します。
目次
コスト上昇の理由
そもそも何故、需要と供給が崩れてしまっているかというと、需要に対して供給が追いついていないからです。供給が追いついていない大きな要因はドライバー不足が考えられます。特に大型トラックのドライバー不足が深刻化しており、トラック輸送の供給力低下に直結しています。
ドライバー不足の理由
それでは何故ドライバーが不足してしまう状況なのでしょうか?その理由として考えられるのはトラックドライバーになりたいと考える若者が減っているからです。「賃金が安い」「不規則な労働時間が多い」「体力的にきつい」「休日が少ない」などがその理由として考えられます。
解決方法
「トラック運転手が足りない」「トラック輸送のコストが上昇している」ということなら、それならそれで解決方法を考える必要があります。考えられるのは次の通りになります。
モーダルシフト
モーダルシフト(英:Modalshift)とは、これまでのトラックという輸送手段を、大量輸送が可能な海運または鉄道といった他の輸送手段に転換していこうとする考え方です。平成9年の京都会議で地球温暖化対策としてCO2(二酸化炭素)の削減目標が決定されたことから、注目されるようになりました。その背景には日本のCO2排出量のうち、運輸部門の割合が約2割、そしてそのうち9割は自動車が占めているといった実状がありました。
ロジスティクス
ロジスティクスとは物流を経営戦略として捉える考え方です。「必要なものを必要な数だけ生産し、効率の良い物流を実現する」といった取り組みが、余剰在庫の発生を抑えることから、ありとあらゆるムダを削減するきっかけになります。余剰在庫が多く存在すると、調達→製造→販売→回収という4つの物流プロセスにおいて、その分輸送量も比例して多くなってしまいます。そのため、余剰在庫の発生を未然に防ぐということは、ムダなトラック輸送の排除にもつながります。要は輸送の一歩二歩手前から根本的に解決するということです。
また、先ほどモーダルシフトではCO2(二酸化炭素)の削減に貢献すると解説しましたが、それはロジスティクスも同じです。トラック輸送が削減されればCO2の排出量も減るので、地球温暖化対策に寄与できます。さらには輸送自体を削減するという意味では、燃料使用量も減ることからエネルギー問題にも寄与できます。身近なところでは渋滞の緩和や事故の削減にもつながります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?トラックの輸送コストが上昇している今日において、日々の物流業務を単に処理するのではなく、もう少し大きい枠でロジスティクスとして捉える必要があります。物流を経営戦略として捉えることができれば、想像もしなかった部分でムダ取りができるため、コスト削減及び利益アップにもつながります。実際に弊社でも混載輸送を実施するなどの工夫をしています。もし、少しでも「物流のコストダウンを実現したい」と思われた場合は、お気軽にお問い合わせください。
トラック輸送費の上昇に対応するならトミーズコーポレーションの物流コンサルティングサービス