物流改善の前に考えるべき商物分離とは
物流業務の改善や効率化を進めるためには商流と物流を分離する商物分離が原則とされています。
本日は商流と物流の違いを説明するとともに、商物分離の必要性について触れてみたいと思います。
目次
商流と物流の違い
商流とは
商流とはお金や所有権の流れを指します。商品を生み出す生産者から、それを買い付ける卸業者、そして仕入れて販売する小売業社に所有権が移転されます。つまりは「その商品は誰のものなのか」ということが、商流の焦点となります。商流を管理するには販売管理などの基幹システムが用いられます。
物流とは
物流とは物の流れを指します。先ほどの言い方ですと「その商品はどこにあるのか」ということが、物流の焦点となります。物流はWMSと言われる倉庫管理システムで管理されます。
商物分離の必要性
商流と物流を分離するには主には以下の3つの目的が挙げられます。
QCDの明確化
例えば、営業部門で商品管理と配送作業まで行っている場合、配送作業も販売活動の一環として計上されてしまう可能性があります。そうなると物流としてどれほどの納期がかかり、どれほどのコストがかかっているか見えづらくなってしまいます。つまりは物流の基本であるQCD【Quality(品質)・Cost(コスト)・Delivery(納期)】が妥当なのか判断することができなくなります。QCDが妥当なのか判断できればそれに伴うレベルを求めることができます。逆に言えば、コストがかかっているにも関わらず、QCDがイマイチの場合はレベルが一定の基準に達していないと判断できるため、改善の余地があることになります。
QCDの適正化を行い、その後、出荷先や顧客との適正物流費に関する合意であるSLA(サービスレベルアグリーメント)を行うことが、経営の健全化につながります。
倉庫作業効率化
商流と物流のシステムが分離されず、販売管理システムで物流倉庫を運営する場合は、その多くはピッキングリストと伝票をセットにしてピッキング作業を行っています。商物一致で作業が完了する流れとなるため、商品と伝票の付け間違いが無くなる一方で、伝票という紙に依存した作業になってしまいます。そうなってしまっては物流作業の効率化を図る上で限界を迎えてしまいます。
このような課題に対して、WMS(倉庫管理システム)では、伝票単位だけでなく、作業効率を極限まで高めるために、色々なピッキング方法を使い分けることができます。たとえば全てのオーダー(受注)に対する必要な商品を先にまとめてピッキングしてから後にオーダー(受注)単位に商品を仕分けるトータルピッキングや複数のオーダー(受注)分をまとめてピッキングしながら、同時に仕分け作業を行うマルチオーダーピッキングなどを活用できます。
物流業務のアウトソーシング化
物流業務を発送代行会社や3PLにアウトソーシングすることで、本業に専念できることはもちろん、物流専門企業のコントロール下に配置することで、物流費を適正化させることができます。この際に商流と物流が一緒になってしまっては商流として管理しているお金や取引先に関する情報が流出してしまう可能性があります。しっかりと分離していれば物の管理に関する情報だけをアウトソーシングすることができるため、安心して外部委託することができます。
まとめ
いかがでしょうか?
物流を改善する場合は、まずは商物分離から取り組むことが大切です。
弊社ではEC物流に特化した在庫管理システムであるクラウドWMS「ビーロジ」のサービスを提供していることから、お客様の商物分離のサポートをすることが可能です。
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