EC企業に必要な物流コスト削減
EC物流の急増
近年インターネットの普及によりEC取引が急増しています。誰もが気軽に、かつ簡単にネットで商品を購入することができる時代となりました。店舗に行かずに商品を購入できるネット通販は、今や無くてはならない物流のスタイルに成長しました。
そんなEC物流の増加で最近話題になったのは物流クライシスです。荷物個数が増えることにより配送業者の負荷が限界点に達し、重労働環境が問題となっています。
配送業者のドライバー不足等によって、大手運送業者では配送運賃の値上げや再配送の打ち切りを行うようになりました。こうした値上げや配送環境の変化はEC企業にとって大きな痛手、つまりコスト増につながり、どの企業も頭を抱える大問題に発展しています。このようなコスト増に対応するべくEC企業は様々な取り組みを行って難局を乗り切る努力を行っている現状です。
その取り組みの一つが物流業務のアウトソーシングです。社内だけで物流を賄うことを考えるとなると、多くの人材確保が必要となり賃金等の問題が大きくのしかかります。
一言にEC物流と言ってもその工程と作業量には膨大な労力が掛かり、企業にとって大きな負担となります。
ECの流れはおおまかに表すと、商品を入荷しその商品の検品を正確に行い売れるまで商品保管を行う、受注された際正確なピッキングを行い丁寧で間違いの無い梱包をしてから個人宅へ配送をするという流れになります。
最近では受注から配送完了までのスピードがそのEC企業の大きな評価基準となりレビューされます。レビューが悪評だと企業の業績にすぐに反映され収益の悪化につながります。逆に良い評価であれば業績が上向き受注が多くなって収益が増加します。
物流管理は現代では大変重要な位置付けであることが分かるでしょう。
物流のアウトソーシングとは
物流クライシスが叫ばれている近年で重要なのはいかにコストを抑制し、正確に丁寧に顧客の元へ商品を迅速に配送するかということです。
アウトソーシング業者は今や物流における全ての業務を一手に請け負う業者が主流となってきました。このような業者では倉庫での商品入荷受付、検品、保管、ピッキングをし、配送まで一元的に行います。
ECではBtoCによる取引が主であることから少量多品種を扱うことが大半です。そのために倉庫の仕組みや規模も重要になってきます。一般消費者に向けた商品を多種多様に扱うことから一件当たりの配送量は少なく件数が多くなる傾向にあります。
少量多品種を管理し配送するためには管理方法を十分に考える必要があり、これらを自社のみで運営するとなれば多大なコストが掛かってきます。これらをアウトソーシングすることでEC企業は本来重要な販売促進に注力し、売り上げの増大、コストの削減を行うことができ、収益の増大を図ることが可能となります。
物流を外注することはEC企業にとって今や当たり前になってきています。そうした業者も多くなってきている時代において、どのような基準で外注すればよいかを検討する必要があります。業者の選択を誤ると起業にとって致命傷になってしまいます。
物流アウトソーシング業者の選び方
通販サイトを運営していく企業にとって商品の配送は顧客獲得において重要な位置付けです。その業務を委託するということは会社の資産を預けてともに成長していくという、いわば大切なパートナーを選ぶことと一緒です。
選んだパートナーが誤出荷を繰り返したり、商品の保管がいい加減で品質管理ができず商品が痛んでいたりすれば、すぐに企業評価はレビューに反映され、収益は激減し通販サイト運営はできなくなってしまいます。そうならないためにパートナー選びで大切なことは、まずその業者の過去の実績を詳しく調べることです。ECサイトでの注文は受注データとして倉庫で管理ソフトを使用し受付してから配送する流れになるため、IT専門のスタッフが在籍し対応できることが第一の選択基準となります。
次に一日に受け付けできる出荷量の確認が必要です。ECサイトでは割引セール、クーポンセールなどの特別な売り上げ増につながる戦略が日々行われます。
それに呼応できる出荷のキャパシティーを確認しておくことで、出荷に関してのトラブルが少なくなります。
そして一番大切なのは自社で扱う商品に対応できる倉庫であるかどうかということです。食品であれば冷凍、冷蔵システム、賞味期限が管理できる仕組みを有しているかが重要です。化粧品などは専門の免状が必要であり、アパレルならば検品の際に検針機が欠かせません。このように扱う商品に対応できる業者であるかどうかを見極めることが肝心です。
最近では特別な包装を受け付けて他社との差別化をすることも通販サイトには求められてきています。誕生日、クリスマスなどのラッピング業務ができるかどうかも重要です。
そしてコスト面で分かりやすい料金設定になっているかを確認します。見積もりの時点でどのくらいの金額で委託できるかを把握し、トラブルを防ぐ必要があります。
これらのことをふまえた上で、アウトソーシングをしようとしている業者の倉庫を実際に見学に行き、目で確かめてから委託することを決めましょう。