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TOPコラム現在も進化し続ける物流センターの歴史や役割とは

公開日: 2023/09/01
更新日: 2023/09/04

現在も進化し続ける物流センターの歴史や役割とは

物流センターの歴史

物流センターは企業にとってのハブであり、常に物が大量かつ頻繁に出入りする施設です。在庫を保管しながら届け先別に出荷する大切な機能を果たしています。一般の方は、巨大な倉庫のような場所でフォークリフトやベルトコンベアなどがせわしなく動き回っているイメージを思い浮かべることでしょう。

最近では、自動倉庫や自動ソーターなどの最先端の機器も導入されています。高度成長期と呼ばれる昭和初期には備えられていたと考えるのが普通ですが、その当時はその種の施設はなく工場の倉庫がその代わりの役目を果たしていました。
また、物流という言葉自体が存在しておらず、現在と変わらず物を保管したり、配送したりという業務はあったものの、それらは全て流通の一環としてとらえられていたようです。戦後しばらくは物が不足する時代であり、流通する間もなく作ったそばから売れるという状況にあり、流通、販売は製造に従属するものとしてみられていたようです。

高度成長を経て市場が大きく成長したことで、製造した物をそのまま販売するシステムだけでは追い付かず、物流という独立した領域が確立されていったものと考えられます。
海外との取引が頻繁に行われるようになってからは、海外に進出する企業が急速に増え、現地で生産、製造された部品や消費財などが国内に多く入ってくるようになり、港や空港でピックアップされた物を集中的に保管し、それぞれの届け先に出荷する中間施設的な役割が必要となったのです。
集中管理することで市場の不安定な需要に効率的に対応できると考えた企業が増えたことによって物流センターが次々に建設されるようになりました。そして、市場ニーズが多様化し、とても短いスパンでの輸送が必要となったことから、さまざまな付加価値がセンターに求められるようになったと言えるでしょう。

センターの重要な機能のひとつ、ピッキング

物流は、もともと生産地を消費地のギャップを埋めるための機能を持つものです。輸送の他に、生産の時期と消費需要のタイミングのずれを埋めるためには在庫という機能が必要です。
また、大量生産でコストを下げようとする企業と少量の消費しか必要としない消費者の間に、小分けや直し梱包などの物流加工の機能でそのギャップを埋めることになります。さらに、多様なニーズを持つ消費者は、ネットなどで注文する場合に単品だけでオーダーすることは少なく、これは、材料や部品などを必要とする企業にも同じことが言えます。つまり、複数の種類の物をまとめて注文、配送する必要があり、そのための物品を取り揃える「ピッキング」という業務も必要になります。

必要とする種類の物を必要な数だけ揃えるピッキングは今や、物流機能のメインともいわれるものとなっており、センターにとって、入荷、保管、物流加工、出荷とともに大切な機能となっています。それぞれの機能を果たすためには、作業そのものと作業が実施できる場所、設備などが必要となります。効率的にピッキングを行うためには、物が整然と秩序をもって並べられた棚などが必要となります。

以前は、一つの場所に同じ種類の在庫が多く並べられ、フォークリフトを使って荷降ろしするような場面も多くみられていましたが、現在では、バーコードによる自動制御システムで行わるのが主流となっています。配送先ごとに分けられたコンテナに、自動制御でピッキングされた多種類の物がピッキングされ、そのままベルトコンベアに乗って梱包作業がなされ、バーコードで読み取られるままに行き先別に荷物が分別されるシステムもあります。

今後も進化する物流センター

センターには在庫機能を持つタイプと原則として在庫を持たず、入荷した物の積み替えや振り替えのみを行って出荷するタイプがあります。後者に当たるのは運送業であり、製造業や流通業、小売業などは前者のタイプになります。各企業が自社にそれぞれこのシステムを持って全ての過程を行うとすると莫大な経費がかかります。

最近では、一連の過程を全て同一業者で行ってくれるところもあり、自社に倉庫や検品場、ピッキング作業スペースなどを持たずして生産から消費までを大幅なコスト削減とともに行うことができるようになっています。市場や消費者へ商品の供給が円滑に行われるとともにリードタイムの短縮、品質の向上、商品管理レベルの向上を図りながら、トータル的なコストを抑えることができるため、多くの企業が利用しています。

センターのシステム化も時代とともに進化しており、最先端の現場では、ロボットによる商品管理システムも導入されています。コンパクト自走式のロボットがストック棚の下に入りこんで棚ごと持ち上げることができ、倉庫内で配送と保管を料率することができるため、従来のセンターよりもスペースが少なくて済みます。人件費の大幅な削減とともに、作業時間の短縮、ヒューマンエラーの削減など、さまざまな利益が得られるため、今後は主流となることも考えられるでしょう。
期日だけではなく時間指定もできる日本の宅配サービスは過保護だという意見も聞かれていますが、これから先も注文から配送までの時間の短縮だけでなく、何かしらの付加価値がプラスされたサービスが登場してくることでしょう。数年先にはドローンが飛び交いながら配送する姿も見られるのではないでしょうか。

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