物流はアパレルの効率を大きく変える
大きく変化していくアパレルの物流
物流は一見、あまり大きく変化しているようには見えませんが、実は日進月歩の勢いで著しく変化している分野であり、常に高いレベルでの効率を追求している分野と言えます。
物流の根幹にあるのは生産者と消費者の間に存在する距離や時間といったギャップを少なくしていくということが目的です。
最も効率が良いのは、商品を消費者の前で生産し、その場で提供することですが、残念ながら現実的ではありません。
ところが、アパレル業界でもネット販売が盛んになってきた近年、生産者がシームレスな展開をするあまり、消費者との距離感がだんだんと短くなってきています。
消費者から見ても、注文した翌日に商品が届くなど、それこそ目の前で生産しているかのように錯覚を覚えてしまうように、その現状が当たり前になってしまっています。
効率化できる限界を超えた要求ということも出てきており、物流にかかる負担は増大の一途を遂げていることは間違いありません。
現在の物流は、できるだけ効率化を目指していくことを主としているため、在庫管理するだけではなく、ラッピングといった加工作業も行っています。一括して行うことによって、効率化を高めることが狙いです。
小さな企業であっても、物流がしっかりしていれば、効率を高めることができます。
商品管理や検品といった作業も任せることができるため、売るということに専念できるからです。
倉庫でできる加工業務
アパレルの効率をあげられる理由のひとつとして、物流で加工ができるようになったことがあげられるでしょう。
アパレルの生産は、一見すればすべてを同一のところでやっているように見えます。
しかし、実際には分業制が進んでおり、ボタンひとつつけるとしても、専門の業者でおこなうことは珍しいことではありません。これは、加工機器の違いの問題であり、ミシンに乗せれば何でもできるというわけではないからです。
他にもブランドネームや洗濯タグなど、細かな加工はいくらでも出てきます。
ボタン付けや付け替えといったことも後から加工しなければいけないでしょう。
下げ札付けといっても、非常に時間がかかり、これだけでも出荷に対するボトルネックになったりすることが出てきます。
その後検品をして、セットまでということを考えると、非常に多くの企業の手をかけていかなければ完成しません。さらには検針も行わなければいけなかったり、設備の維持管理も考えると、規模の小さいところには、大きな負担になることは間違いないことです。
これを物流で一社に集約することができれば、効率は飛躍的に向上するのは間違いないでしょう。ワンストップで発送することができるようになるのですから、手間は格段に減らすことができます。
実際に物流側でも、集約できる体制をそろえているということが大きいところです。
専門スタッフを抱えていることによって、対応は素早く可能となりました。それもすぐに流通に乗せることができることを考えると、効率は驚くほど向上します。
これから先のアパレルの物流ということを考えると、とても大きなポイントを握っていることもわかるでしょう。
一歩先を見越した経営を
インターネットによる販売形態が普及してから、スピードはどんどんと上げていかなければいけない時代となりました。
そのため、待ち構えて発送するような時間はほとんどとれません。
人力で作業をこなそうという一昔前の発想では、対応することもできなくなりました。
さらにはインターネットが加速したことで、価格競争に陥ってしまった部分もあります。
流通経路を単純化することができるようになり、経路を短くすることができるようになった反面、価格を下げて競争に対応するところも多いのが実情です。
その中で、人手をかけるということは、競争には勝てないということを示しているのも事実でしょう。
物流にあらゆる機能を集約することができれば、単純にスピードをあげられるということだけではなく、複数の業者を使わずに済むため、大幅なコストカットも目指せます。
検品を含めて、生産者や販売者が作業現場を持たないで済むようになるのも大きいでしょう。
身軽になることができるようになりますし、企画ということを中心にファブレスというかたちも目指すことができるようになります。
これからの未来を考えた時に、経営をスリムにしていくことが重要です。
アパレル業界も大きく様変わりしていく中で、効率化を考えるということでは、アウトソーシングを活用することがカギになることは間違いありません。
手軽に利用することもできるようになっているのですから、一歩先を見越した経営も考えていくべきでしょう。