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公開日: 2020/03/09
更新日: 2025/01/23

倉庫保管料の相場について

カテゴリ:倉庫業務について


本日は物流をアウトソーシングされている企業様について回るもの、倉庫保管料の相場についてお話させて頂きます。

保管料とは?

保管料とは、営業倉庫が貨物の保管に際し、その対価として徴収する料金を指します。営業用倉庫は、倉庫業法により国土交通省の許可を必要としています。(引用元:ウィキペディア)

一口に保管料といっても、その請求形態にはさまざまな形式があることをご存じでしょうか?主な形態として「1ヶ月単位」と「三期制」の2つがあります。

例えば、「三期制」と呼ばれる請求形態では、1ヶ月を10日単位に三分割し、それぞれの期間ごとに荷物の保管料を算出します。そして、それらを合計した金額が請求されます。この方式は、短期間で在庫の変動が激しい場合に適しており、保管スペースの利用効率を高めることができます。

一方、1ヶ月単位の請求形態では、保管期間全体を通して発生するコストが比較的安定するため、管理が容易なメリットがあります。

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保管料の相場

倉庫の保管料の相場の前に、固定費と変動費に分けて考えることが一般的です。固定費は、倉庫を利用する上で発生する基本的な費用で、利用者が毎月支払うものです。一方で、変動費は、荷物の入出庫や保管量の変動によって発生する費用です。それぞれの相場を以下にまとめます。

固定費
固定費は、倉庫の契約期間中、安定して発生する費用です。主にシステム利用料や業務管理料、そして倉庫そのものの保管料が含まれます。

項目 一般的な価格(月額)
基本料(システム利用料) 2万円~5万円
基本料(業務管理料) 2万円~3万5,000円
倉庫保管料 4,000円~7,000円/坪単価

変動費
変動費は、荷物の動きや在庫量に応じて変動します。頻繁に入出庫が発生する場合やピッキング作業が多い場合には、変動費が大きくなる傾向があります。

項目 一般的な価格(月額)
入庫料 10円~30円/個
出庫料 10円~50円/個
ピッキング料 10円~30円/個

例えば、1ヶ月に1,000個の荷物を入庫し、同じ量を出庫する場合、入庫料・出庫料の合計は20,000円~80,000円となります。また、ピッキング作業が必要な場合はさらに費用が加算されます。

※注意点
保管料の相場は、地域や倉庫の種類(冷蔵・冷凍倉庫、危険物倉庫など)、さらには契約内容によっても大きく異なります。また、短期契約では割増料金が発生することが多いため、長期契約を検討することでコストを抑えられる場合があります。

固定費と変動費を把握することで、倉庫利用時の総コストを試算しやすくなります。自社の物流ニーズに合わせて適切な倉庫を選定し、複数の業者から見積もりを取り比較することが重要です。

異なる運用方法

営業倉庫に荷物の保管を依頼する際の保管費用は、大きく分けて二つの形態に分類されます。これらは、荷主様の倉庫への委託用途や倉庫の運用形態によって異なります。それぞれの特徴を理解することで、自社の物流ニーズに最適な運用方法を選択することが重要です。

寄託保管料

一つ目は「寄託保管料」です。この方式では、必要な時期に必要な分だけを倉庫に預けられるため、在庫量が変動するケースに適しています。寄託保管料は変動費として扱われ、在庫数量の増減に比例して請求額が変わるのが特徴です。

例えば、先程紹介した「3期制」では、1ヶ月を10日ごとの期間に分け、それぞれの期間で在庫量を計算します。このように短いスパンでの物量増減に応じて請求されるため、柔軟性のある運用が可能です。

また、寄託保管料は以下のような基準で算出されることが一般的です

 ピース単位(pcs):商品1個ごとの料金
 才数:貨物の体積を基準とする料金
 立米(m³):貨物の立方メートル単位での料金

これらの方式は、保管スペースを最小限に抑えたい場合や、短期間の保管が必要な場合に特に有効です。一方で、在庫が急増するとコストが一時的に跳ね上がるリスクもあるため、事前に十分な試算が必要です。

坪貸し保管料

二つ目は「坪貸し保管料」です。この方式では、一定のスペースを固定で契約し、毎月の保管料を安定させることができます。坪貸し保管料は、安定的な物量が見込まれる場合や、長期的に倉庫スペースを確保する必要がある場合に適しています。

特徴としては以下の点が挙げられます

 スペースの固定確保:契約したスペースが専用で確保されるため、在庫量の変動に左右されない。
 コストの安定:請求額が固定されるため、月々の物流費用を予測しやすい。
 オペレーションの効率化:同じスペースで継続的な管理が行えるため、倉庫内作業が効率的に行われる。

業界全体では、寄託保管料に比べ、坪貸し保管料の方が主流となりつつあります。その理由としては、倉庫業者が安定したスペース運用を見込める点、そして荷主側も長期的なコスト計画を立てやすい点が挙げられます。

例えば、坪単価が4,000円~7,000円の倉庫で50坪を借りた場合、保管料は月額20万円~35万円程度になります。これにより、月々のコストが固定されるため、物流費用を長期的に見積もる際のメリットが大きいです。

寄託保管料と坪貸し保管料の比較

項目 寄託保管料 坪貸し保管料
利用形態 必要な時期・数量のみ保管 安定的なスペース確保が必要な場合
請求方法 変動費(在庫増減に比例) 固定費(スペース単位で固定)
適したケース 在庫量が変動する場合 長期的かつ安定した物量が見込まれる場合
メリット コストが柔軟に調整可能 安定した請求額で計画が立てやすい
デメリット 在庫急増時のコスト増加リスク 必要以上のスペースを借りると無駄なコストが発生

「寄託保管料」と「坪貸し保管料」は、それぞれの運用形態に合わせたメリットとデメリットがあります。短期的な利用や在庫の変動が激しい場合は「寄託保管料」、安定的なスペース確保が必要な場合は「坪貸し保管料」が適しています。どちらの方式を選ぶかは、荷主様の物流計画や商品特性を十分に考慮した上で決定することが重要です。

立地との関係性

東京などの首都圏は、関西エリアに比べ土地代が高く、一般的に1.2倍~1.5倍程度の差があるとされています。このため、物流拠点の立地選びではコスト面での影響が大きく、慎重な検討が必要です。

現在では、本州であればほとんどが翌日配送エリア内に含まれるのが一般的であり、企業にとっては自社物流拠点をどこに構えるかの選択肢が広がっています。このような環境の変化により、「首都圏に拠点を持つべき」という従来の考え方が見直され、関西エリアへの物流拠点の集約を検討する企業も増えてきました。特に、物流品質が変わらず、配送効率やコスト削減が実現できるのであれば、より土地代が安価な関西エリアを選ぶメリットは非常に大きいといえます。

地域選定のポイント

物流拠点の立地を選定する際には、以下のようなポイントが重要です

配送範囲とリードタイム

翌日配送可能なエリアを広くカバーできる地域を選ぶことが重要です。関西エリアは首都圏や中部地方へのアクセスが良好であり、関東・中部・九州といった主要都市への翌日配送を実現しやすい環境にあります。

コストの最適化

土地代や人件費の観点から、関西エリアを選ぶことで運営コストの削減が期待できます。一方で、首都圏に近い拠点を選ぶ場合は、配送時間を短縮することによるサービス品質向上が可能です。

在庫拠点の分散

災害リスクを考慮し、複数の地域に在庫拠点を分散することで事業継続性を確保する企業も増えています。関西エリアは首都圏と異なり地震リスクが比較的低いとされており、BCP(事業継続計画)対策の一環としても注目されています。

物流拠点の立地選びは、コストとサービス品質のバランスを考慮した戦略的な判断が求められます。特に関西エリアは、首都圏に比べてコスト面でのメリットが大きく、全国配送の中心地としての機能を十分に果たせる地域です。

一方で、物流業界は急速に変化しており、物流会社は従来のサービスにとどまらず、顧客ニーズに応じた柔軟かつ革新的な提案力を持つことが必要です。企業と物流会社が互いに協力し合い、最適な物流ネットワークを構築することで、競争力のある物流体制を実現していけるでしょう。

物流会社を選ぶ際のポイントについてはこちらの記事【タイトル:失敗しない物流会社選びのポイント①】をご参考ください。

さいごに

いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介したように、物流拠点の立地選定や運用方法の見直しは、物流コストの削減やサービス品質の向上に直結します。特に地代の相場が比較的安価な関西エリアは、物流アウトソーシングを検討する際の有力な選択肢となり得ます。
物流業界は日々進化を続けていますが、企業が抱える課題やニーズは多様化しており、柔軟で的確なソリューションが求められています。私たちトミーズコーポレーションでは、長年培ってきたノウハウと実績を活かし、お客様に最適な物流ソリューションをご提案いたします。

「コストを削減したい」「物流品質を向上させたい」「関西への物流拠点移設を検討している」など、どのようなお悩みでもお気軽にご相談ください。物流のプロフェッショナルとして、貴社の事業をサポートし、競争力のある物流体制を構築するお手伝いをいたします。

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