働き方改革を実現するためにすぐに取り組める物流改革とは
2019年4月から働き方改革関連法案の一部が施行され、大企業はもちろん中小企業でも働きやすい環境整備が企業としての需要課題になりました。その背景は日本が直面する「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」、「働く方々のニーズの多様化」などの課題に対応するためには、投資やイノベーションによる生産性向上や、就業機会の拡大、意欲・能力を存分に発揮できる環境をつくることが不可欠という方向性を国が示したためです。本日は、働き方改革からみる中小企業の物流についてお話したいと思います。
目次
人手不足の物流業界
どの業界でも人手不足が深刻な話題として取り上げられていますが、物流業界も同じです。むしろ物流事業はその他の産業よりも労働力不足とする事務所の割合が多く、半数以上の事業者が人手不足であると回答しています。
物流クライシス
特にそれを印象づけたのが物流クライシスと呼ばれる社会現象です。物流クライシスとは近年のEC市場の拡大により、宅配業者の個人宅への配送が増え、宅配ドライバーなどの人手不足が深刻になった問題です。大手宅配会社は急増した需要に対応するために、送料の値上げや取引先の見直しを急ピッチで進めましたが、それでも人員不足は2020年9月現在大きな課題の一つとして残っています。
人手不足を解消する物流改革とは
中小企業の現実
近年、テクノロジーの進化により物流現場でもマテハン設備やロボットの導入が進んでいます。それらは人の作業の代替えとしての役割はもちろん、代替とまでいかないまでも作業者の労働生産性を向上させるための役割として捉えられています。
しかしながら、どの中小企業も最新のマテハン設備やロボットを導入できるかと言うとそういうわけでもありません。やはり高額な先行投資は避けられず、コロナ禍の今では経営体力が削られている会社も多いため、そういった設備投資は容易なことではありません。
物流改革の基本はNHK
物流改革は何も最新の機器を導入することだけではありません。現状業務を定量的に分析し、正確な現状を把握することが基本です。その中で重要視されるのがNHKと呼ばれるものです。
Nは無くす、Hは減らす、Kは変えるといった意味合いがあります。整理整頓アドバイザーが断捨離から進めるのと同じで、まずは今行なっている作業で不必要なものがないか検討するべきでしょう。
中小企業でも導入しやすい倉庫管理システム
マテハン設備やロボットとなると数千万円、数億円規模のものがほとんどですが、WMSと呼ばれる倉庫管理システムであれば比較的安価に導入することができます。昔はWMSも高額なものばかりでしたが、最近ではクラウド型ASPとして月額料金制で安価に導入できるものも増えています。WMSがあれば物流品質を格段にアップすることができ、また一定数の省人化も期待できます。WMSって何?と言う方はこちらをご覧ください。
WMSがもたらす効果
WMSを導入することにより、倉庫内作業が標準化されます。つまりルール化されるということです。そのため、分かりやすい業務フローが構築されますので作業者にとって大きなメリットがあります。また、ロケーション管理機能があるため、商品を探す手間が省けます。これまで商品を探すのに時間がかかっていたピッキングも時間が短縮できるとなると、作業者のストレスも軽減することでしょう。つまりは離職率の改善にも大きな貢献をするということです。もちろん作業効率が捗(はかど)れば人員削減にもつながります。そうすると人材不足の現状でも同じ労働力で日常業務をこなしていけます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?中小企業にとって、2020年アフターコロナを生き抜いていくためにはありとあらゆる部分でのコストダウンが必要です。比較的安価に導入が可能なWMSの導入は中小企業にとって比較的取り組みやすい物流改革となります。
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