スタッフブログ

Blog

TOPスタッフブログ倉庫業務について3定管理とは?物流倉庫の整理整頓の方法や事例をわかりやすく紹介

公開日: 2021/10/25
更新日: 2024/11/15

3定管理とは?物流倉庫の整理整頓の方法や事例をわかりやすく紹介

カテゴリ:倉庫業務について

以前こちらのブログで5Sと言われる「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾(しつけ)」の重要性について紹介しましたが、その中でも重要視されるのが「整頓」です。

なぜ「整頓」が重要視されるかというと物流倉庫では物品の紛失は異物混入に繋がる恐れがあるためです。異物混入が発生してしまうと物流倉庫としてのサービス品質は著しく低下してしまいます。

そのため、本日は「整頓」を実施するために導入されている3定管理について詳しく解説します。

3定管理とは

3定管理とは、「定品」「定位」「定量」という3つの「定」を組み合わせて行う管理手法で、整理整頓の一環として非常に有効な方法です。ここでは、3定管理の基本概念となる3つの要素について詳しく説明します。

定品:管理する品物を決める

「定品」とは、倉庫内で管理するべき品物を決めることです。例えば、物流倉庫には大小さまざまな道具や備品が存在しますが、それら全てを無差別に管理するのではなく、業務上必要なものと不要なものを選別し、必要なものだけを管理対象にするということです。
定品のルールを導入することで、業務に不要なものを倉庫に置かず、無駄なスペースや管理コストを削減することができます。また、作業スタッフも必要な道具だけに集中することができ、作業効率の向上にも繋がります。

定位:保管する場所を決める

「定位」とは、品物を保管する場所を明確に決めることです。「どこに置くか」を決めておくことで、倉庫内で道具や物品の所在が常に把握でき、必要なものがすぐに見つかる環境を作ります。
たとえば、カッターナイフや梱包テープなど、日常的に使用頻度の高い道具は作業スペースの近くに定位置を設定することで、取り出しやすさが向上し、作業効率も上がります。また、定位が徹底されると、使用後も必ず定位置に戻す習慣がつくため、紛失のリスクを減らす効果も期待できます。

定量:適切な数量を決める

「定量」とは、保管する品物の数量を決めることです。多すぎても少なすぎても効率が悪いため、適切な在庫量や保管数量を決め、無駄のない数量で管理することが求められます。
たとえば、カッターナイフは「5本」、梱包テープは「3巻き」などと具体的に定量を設定しておくことで、品物が不足しているかどうかをすぐに把握できます。また、数量が決まっているため、過剰在庫を防ぎ、必要な分だけを管理することで、コスト削減やスペースの有効活用にもつながります。

3定管理によって得られる効果
「定品」「定位」「定量」の3つの要素が揃うことで、倉庫内の物品管理が徹底され、様々なメリットを享受できます。例えば、必要なものがすぐに見つかり、紛失や異物混入のリスクが大幅に減少します。また、在庫量や保管スペースが最適化されることで、管理コストが削減されると同時に、倉庫全体の作業効率も向上します。

このように、3定管理は「何が、どこに、いくつあるのか」という情報を明確にすることで、物流倉庫における整理整頓を効果的にサポートする管理手法です。次は、3定管理を導入することで得られる具体的なメリットについて詳しく解説します。

3定管理を導入するメリット

3定管理を導入することで、物流倉庫の業務に多くのメリットがもたらされます。ここでは、「3定管理」がもたらす主な効果について詳しく解説します。

異物混入や紛失事故の防止

物流倉庫で物品が紛失すると、そのまま見つからず異物として商品の中に混入するリスクがあります。特に食品や医薬品、精密機器など異物混入が重大な影響を与える商品では、徹底した管理が必須です。
3定管理により「何が」「どこに」「いくつ」あるのかが明確に定められるため、物品が定位置に戻されていなければすぐに発見でき、紛失を防ぐことができます。これにより異物混入リスクが大幅に軽減され、サービス品質の維持にもつながります。

物流倉庫において物品の紛失や異物混入が発生すると、商品やサービスに大きな影響を及ぼします。特に食品、医薬品、精密機器といった商品に異物が混入することで、重大な品質問題が発生する可能性があり、これは取引先や消費者からの信頼の低下につながるリスクがあります。

異物混入が顧客に発見されると、該当製品がリコールの対象となり、製品の回収や再生産に多大なコストがかかる場合があります。また、消費者が異物混入による健康被害を受けた場合には、賠償責任が発生し、企業イメージへの深刻なダメージや取引停止といった結果を招く恐れもあります。特に大手量販店や食品メーカーとの取引では、異物混入が発覚した時点で即座に取引が停止される場合もあり、売上や信頼の回復には多大な時間と労力を要します。

また、紛失事故についても同様です。物流倉庫内での物品の紛失は、在庫数のズレや出荷ミスにつながり、納期の遅延や顧客対応の遅れが発生します。このようなミスが重なると、企業の信用が損なわれ、取引先からの契約更新が困難になる場合もあるため、事故防止は企業の経営基盤を守る上で欠かせません。

効率的な作業環境の実現

3定管理を導入すると、作業スタッフは必要なものを探す時間が減り、作業の効率化が進みます。定位置が明確であるため、必要な道具や部品がどこにあるか一目でわかり、作業中に物品を探す手間が省けます。
さらに、定量の管理がされていれば、作業開始前に必要な道具や在庫が揃っているか簡単に確認できるため、作業中に不足が発覚して中断する事態を避けられます。こうした「ムダの削減」が進むことで、作業効率の向上に直結します。

品質管理と安全性の向上

3定管理は、物流倉庫の整理整頓が徹底されるため、品質管理や安全性の向上にも寄与します。例えば、カッターナイフなどの工具類が定位置に戻されていない場合、作業エリアに放置されていると、誤って手に取ったり、足を引っかけたりしてケガの原因になりかねません。
定位置が明確に管理されていることで、作業場の安全が確保され、リスクの低減につながります。また、管理体制が整うことで現場のルールが徹底され、作業スタッフの意識向上にもつながります。

倉庫内の清潔さと整理整頓が維持される

3定管理が導入されると、倉庫内の整理整頓が進むだけでなく、清潔さが維持されやすくなります。物が常に定位置に置かれ、不要な物が取り除かれることで、倉庫全体がきれいに保たれます。
清潔な環境はスタッフの作業意欲向上にも貢献します。また、整理整頓が行き届いている倉庫では、清掃もスムーズに進むため、日常的なメンテナンスが容易になり、倉庫全体の衛生状態も改善されます。

作業スタッフの意識とスキルの向上

3定管理が現場に浸透すると、作業スタッフは「整頓」や「整理」に対する意識が高まります。物の管理や片付けの重要性が認識されるため、スタッフの自主的な意識向上や規律が促進されます。
また、道具や資材を使用後に必ず元の場所に戻すことで、他のスタッフもスムーズに作業を引き継ぐことができ、チーム全体の生産性が向上します。こうした管理意識の向上が、結果的に物流品質の向上に寄与します。

このように、3定管理は「異物混入防止」「効率化」「安全性向上」など、多岐にわたるメリットをもたらし、物流倉庫の運営をより円滑にします。次は、具体的な運用方法と導入事例を紹介し、実際に3定管理をどのように活用できるかを見ていきます。

3定管理の導入事例

3定管理は、対象物やその使用頻度に応じて、さまざまな管理方法が採用されます。ここでは、物流倉庫で特に有効な具体例をご紹介します。小物から大きな機器まで、それぞれの特徴に合わせた管理方法を見ていきましょう。

小物道具(カッターナイフ・梱包テープなど)

小物道具は日々の作業で頻繁に使われるため、最も紛失しやすいもののひとつです。これらの道具は数量をしっかり管理し、誰のものかがわかるようにしておくことが重要です。
例えば、カッターナイフや梱包テープにはそれぞれラベルを貼り付けて、「定品」として登録します。さらに、「定位」として保管場所を定め、名前ごとの定位置に戻すルールを徹底します。数量に関しても「定量」として例えば「カッターナイフは5本」と決め、紛失がすぐに発見できるようにします。このように管理することで、誰の道具が不足しているかがすぐに把握でき、紛失防止や迅速な対処が可能です。

工具(ドライバー・ペンチなど)

工具は、組立作業を行う倉庫や、生産現場でもよく使われる道具です。紛失や所在不明の状態を防ぐため、工具を収納するケースや引き出しには「姿置き」を採用します。姿置きとは、工具の形に合わせてスポンジなどで型を取ることで、どの工具がどこにあるべきかを一目で分かるようにする管理方法です。
この方法によって、定位置に戻されていない工具がすぐに判別できるため、紛失を未然に防ぐことができます。また、定位置以外に置くことができないため、工具が散乱するリスクが低減され、整然とした作業環境が維持されます。

ハンディターミナル(業務端末)

ハンディターミナルは物流現場で商品管理や棚卸しに用いられる重要な機器で、紛失や故障があると業務に大きな支障が生じます。
このため、ハンディターミナルには1台ごとに固有番号をつけ、定められた充電スタンドや収納エリアに保管します。例えば、1番のハンディターミナルは「定品」として管理し、「定位」として1番専用の保管スペースに戻すルールを設けます。また、「定量」も徹底されるため、万が一不足している場合にはすぐに確認でき、紛失リスクを抑えられます。充電スタンドに戻すことで、次の使用時には常に充電された状態で準備されるというメリットも得られます。

ゴミ箱

物流倉庫では、毎日さまざまなゴミが発生します。OPP袋や段ボールのPPバンド、シール台紙など、小さなものも含めて多岐にわたりますが、こうしたゴミを適切に処理するため、ゴミ箱の「定位置」も非常に重要です。
ゴミ箱を倉庫内の特定エリアに設置し、ラインテープで場所を明示することで、常に定位置にあることを徹底します。さらに、ゴミ箱には「ゴミ箱」と大きくラベルを貼ることで、新人や派遣スタッフもすぐに認識できるようにし、不要な混乱や探す時間を削減します。

フォークリフト

フォークリフトのような大型の設備も、3定管理が必要です。物流倉庫ではフォークリフトを効率よく使用するため、定められた「駐車位置」をラインテープで明確にし、常にそこに駐車するルールを設けます。
例えば、フォークリフトが通路を塞ぐような場所に停められてしまうと、他の作業がスムーズに行えなくなる可能性があるため、通路を考慮した駐車位置を定め、定位置以外の場所に駐車することを禁止します。このようにすることで、物流倉庫内の作業導線を保ち、他の作業スタッフや荷物にも安全が確保されます。

このように、3定管理は物流倉庫で使用されるさまざまな道具や設備に対して、それぞれの用途や重要性に応じた方法で適用できます。具体的な事例を通じて、3定管理の効果的な活用方法を理解し、自社の物流現場に活かしていただければと思います。

トミーズコーポレーションでの3定管理の取り組み

トミーズコーポレーションでは、物流倉庫における作業品質や安全性を向上させるために3定管理を徹底しています。物流業務では多数の物品や道具が使用され、管理が行き届かないと紛失や散乱、異物混入などのリスクが高まります。そのため、3定管理を導入し、細部にまで配慮した倉庫管理体制を構築しています。

道具や設備の「定品」「定位」「定量」の徹底

トミーズコーポレーションの倉庫では、カッターナイフや梱包テープなど、日常的に使用される道具の管理に特に力を入れています。各道具にはラベルを貼り付け、専用の定位置を設けています。さらに、「定量」として必要な数量もあらかじめ定め、在庫が不足した際には速やかに補充ができる体制を整えています。

特に、物流倉庫の異物混入リスクを抑えるために、1時間毎に道具チェックを行い、定められた位置に物が戻されているかを定期的に確認しています。こうした管理により、紛失の早期発見や、異物混入防止に努め、物流品質の安定化に貢献しています。

ハンディターミナルの一括管理と充電ステーションの設置

倉庫業務で使用するハンディターミナルも3定管理の対象としており、業務の効率化と機器管理の精度向上に役立てています。ハンディターミナルには固有の番号を付与し、それぞれの専用充電ステーションに定位置を設定しています。また、充電を必ず行うルールも徹底されており、次の作業に入る際には常に使用可能な状態が保たれています

このような管理により、作業途中で端末の紛失や故障が発生するリスクを低減し、効率的な在庫管理とオペレーションが実現されています。

フォークリフトの定位置管理と作業導線の確保

トミーズコーポレーションでは、フォークリフトの定位置管理も3定管理に基づいて実施しています。フォークリフトは倉庫内での重要な移動手段であるため、駐車位置をラインテープで明示し、常に定位置に戻すルールを設けることで、作業導線の確保と倉庫内の安全性を高めています

特に繁忙期などは、フォークリフトの使用頻度が増加し、導線を確保するための取り組みが重要です。作業効率を維持しながら、他のスタッフの安全も確保するために、3定管理を徹底することで、スムーズなオペレーションが実現されています。

日々の点検と継続的な改善活動

トミーズコーポレーションでは、3定管理のルールが現場に定着するように、日々の点検と継続的な改善活動も行っています。担当者が定期的に各拠点の現場を巡回し、物が定められた位置にあるか、数量が不足していないかなどをチェックし、問題があればすぐに是正しています。また、スタッフが3定管理の重要性を認識し、日常業務に活かせるよう、定期的な研修や改善活動も実施しています。

これにより、現場スタッフの意識向上が図られ、3定管理の徹底によって物流倉庫全体の生産性向上や品質改善に繋がっています。

お客様の物流課題解決に向けて

トミーズコーポレーションは3PL(サードパーティ・ロジスティクス)事業者として、お客様の物流課題を解決するために、日々3定管理の実践と改善を続けています。「物流倉庫の作業品質や生産性を上げたい」「在庫が合わなくて困っている」などのお悩みを抱えるお客様には、3定管理のノウハウを基に最適な解決策を提案しています。

また、物流業務のアウトソーシングにご抵抗がある企業様向けには、物流コンサルティングサービスも提供しています。トミーズコーポレーションの3定管理による実績とノウハウを活かし、物流の改善やコスト削減に貢献しています。

トミーズコーポレーションでは、3定管理を物流倉庫に徹底して取り入れることで、品質と安全性、効率性の向上を実現しています。現場の「見える化」と「規律化」を推進し、お客様の物流課題に寄り添い、最適な物流ソリューションを提供しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?3定管理は、物流倉庫の整理整頓を徹底し、業務の効率化と安全性を高めるために不可欠な管理手法です。「定品」「定位」「定量」という3つの「定」を基に、物品の紛失や異物混入といったリスクを防ぎ、スムーズな業務運営をサポートします。具体的な管理方法を取り入れることで、物流倉庫内の作業環境が整い、スタッフの意識向上や安全性の向上にもつながります。

弊社トミーズコーポレーションは荷主の在庫を預かり、出荷までの作業を代わりに請け負う3PLです。日々多くの作業スタッフが物流センターで勤務しておりますが、3定管理や時間ごとの道具チェックを徹底することで道具の紛失や異物混入を防ぐ取り組みを行っています。

3定管理は、物流倉庫だけでなく、製造現場や事務所など、どのような作業環境でも活用できる柔軟な管理手法です。現場の整頓が行き届くことで、業務の無駄を減らし、効率性が向上します。また、清潔で安全な環境を保つことで、スタッフの働きやすさや意識向上にもつながります。

「物流倉庫の作業品質や生産性を上げたい」「在庫が合わなくて困っている」といったお悩みを抱えている企業様はお気軽にお問合せください。企業の物流部門をそのままアウトソーシングすることが可能で、近年注目されているEC物流にも対応しています。また、「アウトソーシングはちょっと、、、」と自社物流に拘りのある企業様については物流コンサルティングサービスを提供しております。

物流をアウトソーシングするならトミーズコーポレーション


自社物流の業務を改善するならトミーズの物流コンサルティングがおすすめ

ご相談・資料請求など

お問い合わせ

物流に関してお悩みがあれば、
お気軽にご相談ください。
物流課題を明確にし、最適なご提案を致します。

お問い合わせ

0725-20-4080