物流アウトソーシングにおけるWMSは荷主と委託先どちらが構築するのか
物量が多くなるといつかは検討することになる物流アウトソーシング。しかしここで問題がひとつあります。物(モノ)や入出庫履歴などのデータを管理するWMS(倉庫管理システム)は荷主企業と委託企業のどちらが主体となって構築するべきでしょうか。本日はその部分を解説したいと思います。
目次
荷主企業がWMSを構築する場合
荷主企業が構築したWMSを委託先が使用するケースです。
メリット
主に荷主企業の規模が大きく、複数のセンターを運用していたり、独自のルールがある場合にこの方法が取られます。荷主企業の特徴をうまくWMSに反映することができれば荷主企業にとって最善の物流戦略を実行することができます。
また、場合によっては商流を管理する販売システムとシームレスな連携も実現できるため、社内で一貫した管理が行えます。
デメリット
荷主企業が構築したWMSはその荷主企業にとって合理的に作られていることが多いため、どうしても複雑化してしまいます。また、物流の知識が社内にノウハウとして蓄積されていなければ、不完全なシステムが構築されてしまうケースも否定できません。そうなると、複数の荷主企業の荷物を取り扱う委託先企業としては扱いづらいシステムになってしまいます。使用するWMSが荷主企業ごとに違うとなると運用オペレーションが複雑化し、統一ルールも作りづらくなるため、物流センター全体の統制が取りづらくなります。そのため、結果的に委託先企業内でコストがかかり、荷主企業にとってもコスト負担増になる場合があります。
委託先企業がWMSを構築する場合
委託先企業が構築したWMSを委託先が使用するケースです。
メリット
委託先企業が構築したWMSであれば委託先企業としては使い勝手も分かっており、時としてシステム改修も自社で行えるため、委託先企業にとっては運用しやすい体制が継続されます。委託先企業としては他の荷主先企業と同じシステムフローで作業ができるため、管理がしやすく、コストダウンも期待できます。そのため、結果的に荷主先企業のコスト負担も軽減できます。
デメリット
委託先企業が構築したWMSは複数の荷主企業を対象とするシステムであるため汎用性が高いのですが、裏を返すと独自性がなく広く浅いシステムとなるため、場合によっては荷主先企業にとっては必要な情報のやりとりができず、困る場合がでてくるかもしれません。
WMS構築で失敗しないために
WMSの構築で気をつけなければいけないのは膨大な開発コストがかかることです。そのため、まずは委託先企業が構築するWMSで運用可能かどうかを確認することをおすすめします。先ほど述べたように委託先企業が構築するWMSで運用ができれば、委託先企業のトータルコストが抑えられ、センター全体を効率的に稼働させることが可能になるため、両者にとってメリットがあると言えます。
しかし、比較的規模が小さい荷主の場合でも業界独自のEDIや特殊な伝票発行システムなどが存在することも忘れてはなりません。その場合は両者で話し合いの場を複数回設け、ベストな選択が取れるようにしましょう。場合によっては荷主先企業が構築するWMSを選択することが正しい場合もあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?物流のアウトソーシングは荷主企業の今後のビジネスにとって重要なターニングポイントとなります。目先の合理性だけに捉われず、運用後のコスト負担も考えて選択するようにしましょう。
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