アパレル物流の特殊性

現代は、欲しい物がある場合には、直接実店舗に足を運ぶことなく、オンラインショッピングでほとんどの物が自宅まで届く時代です。
実店舗で購入するよりも商品のラインナップが豊富であるだけでなく、一般的な市場価格よりも安く、まとめ買いすることによって送料が無料になったり、
ポイントが付与されたり、クレジットカード決済により後払いできたりなどメリットが多いため、サービスを利用する方の数が増える傾向にあります。

消費者は、実店舗で商品を手にしながら選ぶことなく、ネット上の仮想店舗で品物を注文することになり、購入を決定づけるのは、サイト上に掲載されている画像や説明書きに限られます。
いわば、信用買いしているような状態であり、一度でも商品に不具合や不手際があった際には、そのネットショップを再度利用する気持ちにはなれません。

生鮮食品や食品加工品、洗剤やサプリメントなど、ネットショッピングで販売されている商品には実にさまざまなものがありますが、仕入れをする段階で商品として完成されている場合には、消費者からクレームがつくということはほとんどないでしょう。
しかし、アパレルなどのように身に付ける商品については、目まぐるしく売れ筋商品が変わり、倉庫での在庫管理や注文品のピッキング、出荷や配送など、アパレル物流ならではの手間や難しさがあります。

商品に手直しの必要が認められた場合は、補正や交換などに対応しなければならないため、初期販売の段階でなるべくそのような状態にならないように、細心の注意を払う必要があります。
特に、縫製過程をともなうため、誤って針が残っていたり、糸がほつれていたりして信用を失うと、経営が破綻してしまうことにもなりかねません。
コスト削減を考えることも大切ですが、そこに力を入れすぎて失敗してしまうことのないように考えなければなりません。

アパレルに必要な物流加工

アパレル業界では、問屋から商品を仕入れて保管し、適正な在庫管理を行いながら販売するという流れがあります。
衣料品を少しでも安く販売するために、海外で縫製することはよくあることで、
完成した商品に針などの危険物が混入されていないかなどの検品作業は徹底して行う必要があります。

販売を手掛ける企業がこの検品作業を行うとなると、そのための専用スタッフが必要となり、人件費が余計にかかることになります。
また、人間の目だけでは確認不足となるため、検針機や金属探知機などの精密機械の導入も必要となり、多額の設備投資も必要となります。
安全性はカラーやデザイン以前の絶対的な要素となるため、これらの業務を代行してくれるサービスを提供している会社に依頼すれば、大きなコスト削減につながると言えるでしょう。

アパレル物流に求められるものは、適正な在庫管理のもとに配送することだけでなく、検品や補修、縫製やプレス、値札付けやラッピングなどさまざまな細かな過程に及びます。
それぞれにスタッフをあてて時間をかけて作業していては、実店舗を構えないで経費削減をしている意味がなくなってしまいます。

海外で人件費を安く上げて仕上げられた商品は、縫製不良などもあり、ランクを下げてB級品として販売することもあります。
消費者は、問題点を納得した上で購入するため、そのことについてのクレーム等はありませんが、B級品ばかり販売していては、ショップの満足度ランキングにも影響があります。
アパレル物流の代行サービスでは、補正やたたまれてしわが多い商品をプレスしてハンガー掛けするなどの物流加工を得意としているため、B級品をA級品に格上げして販売することも可能となります。

アパレル物流は代行サービスがおすすめ

質の良い品をより安く販売したいと考えるのはどの企業でも同じであり、ファストファッションの人気が衰えないアパレルの世界でも、コスト削減を図りながらどれだけ収益をあげられるかということが大きな目標となります。

物流はやり方次第で大きなコスト削減につながるため、なるべく費用を抑えたい場合には、代行サービスを利用するのが賢い方法と言えるでしょう。
在庫管理のために倉庫をレンタルするにも費用は発生しますが、その同じ倉庫で検品や補正、タグ付けなどの作業工程を同時にすると大きなコスト削減を実現することができます。

運搬、保管、出荷という一連の作業を一括して行うことができれば、運搬だけに特化したドライバーやスタッフを雇用する必要もありません。
物流代行サービスのなかで、初回出荷分の売れ行き状況を把握したうえでフォロー出荷を行うなどのきめ細かな対応ができれば、販売を担当する会社の業務は大幅にカットすることができ、新商品の開発やキャンペーンなどの仕掛けなどに力を注ぐことができます。
また、適切な倉庫管理も行ってくれるため、不利益につながる不良在庫を抱えるリスクもなくなります。

また、繁忙期やキャンペーン、セールなど特別なイベントを催すことで注文が集中することになっても、対応が可能となるため、在庫不足や商品発送の遅れなどのトラブルが生じることも少なくなります。

全ての工程はコンピューターで一括管理されているため、ピッキングや梱包作業が間に合わずに販売チャンスを逃すということがないのです。
商品の入庫、管理、加工、発送などをワンストップで行える代行サービスは、これからのアパレル物流の主力となるものと言えるでしょう。