完璧でなければならないアパレルの検品
完璧な状態で出荷しなければならないアパレル商品
商品とは、消費者の手元に届いたときに完璧な状態にしておく必要があります。なぜなら、そこに不備があるとクレームの元になるからです。これは、消費者だけではなく、倉庫や工場から店舗に届いたときでも同じことが言えます。万が一不具合がある状態で届いてしまったら、再び商品を加工し、状態をチェックして販売しなければなりませんが、これでは大きな手間がかかります。
これは、アパレルにおける商品でも重要な要素です。ひとつ間違っただけで企業として信用を崩壊させ、経営を破たんさせることもあり得ます。その第一歩として、検品作業があります。検品とは、商品を調べたり検査したりをする意味合いを持っています。商品を仕入れ業者から購入した場合には、その商品に不具合はないのか、また発注した量は伝票や帳簿上で間違いがないのか行う必要があります。販売するための商品に不具合があれば、その商品は販売することはできません。販売する機会を失うだけではなく赤字になる可能性も考えられるのです。だからこそ、検品をしっかり行うことはとても大切な工程だといえます。
特にアパレル商品は生活に密接しているため、しっかり考える必要があります。検品ともうひとつ重要な要素に、安全性という部分もあります。
何よりも必要となる安全性
アパレル商品の多くは、基本的に身につけるものを販売しています。そのため、当然安全面は重要です。ですから、どうやってその商品が作られているのかということを知っておく必要があります。
例えば、アパレルの商品はさまざまな布や革などを使って構成されていますが、そのほとんどは針と糸を使って縫われています。その際、ミシンを使って縫っていくことになるでしょうが、その針は絶対に折れないというわけではありません。学校の授業でミシンを使った人も多いでしょうからイメージしやすいでしょうが、負荷が大きくかかれば折れてしまう場合があります。そのときに気づいて針を取り除いておけば問題になることもないでしょうが、もし気づかずにその商品を出荷した場合、出来上がった商品に針が混ざっている可能性があるということです。
そして、その商品を購入した方が身につけた時、その針が身体に刺さったらどうでしょうか。安全が確保されていない商品を購入してしまったと、大きなクレームに発展する可能性もあります。さらに、もし大きな怪我をさしてしまったら、謝罪だけでは済む問題ではなくなります。結果的に企業の信用が落ち、経営悪化につながる可能性もあります。だからこそ、検品をシステムに組み込み、そのようなことがないようにする必要があります。?
物流倉庫でおこなわれる検品作業
アパレルにおける検品は、工場から出荷する段階でも行われていることが多いのですが、この段階で100%弾けるわけではありません。もしかしたらという可能性は否定できないため、倉庫から店舗に出荷する段階でもチェックを行う必要があります。実際に物流倉庫では、さまざまな項目を設け検品をしています。例えば、商品についたシミや汚れだけでなく、縫製が不良でないかについても行うことはもちろん、こちらの希望にあわせて検品対応をしてくれます。
さらに、洗濯表示や紙タグの内容が指示書どおりのものになっているのかチェックしてくれるところもあります。大量にある商品を店舗で1からチェックするのは、とても疲れる行為です。ですが、出荷の段階でしっかりとした検品を行ってくれるのであれば、安心して販売することができます。また、縫製に関しても、事前にしっかり行っておけば糸とびなどの細かいところにまで気づいてもらえる可能性があります。こうした細かいところにまで気を遣うことによって、商品の質を上げることもできます。当然商品の検査は、生産段階でも行われているでしょうが、ここでもチェックをすることで、より質がよくなると考えられます。
他にも、検針機を掛けることで予防もできます。商品の異物が混入する例は、ミシンの針だけには限りません。ホチキスの針や安全ピン、さらに細かな金属片の混入なども防ぎます。業者によっては、あらゆる金属を探知できる機器を導入しているところがありますので、目視では見えにくい異物の混入も回避できます。さらに、ボタンやファスナーなど磁気が反応する商品に関しては、手持ちタイプの検針機を使って一つ一つチェックしていきますので、より安全です。異物ひとつ見逃すことで、大きな損害を与えてしまうことを考えると、2重3重の検品も大きな意味があるでしょう。
さらに、検針機を通らない商品に関してはエックス線検査機を用いることもあります。目的に応じてさまざまな機械を使うことで、すべてのアパレル商品の検査ができるというわけです。中には、靴や鞄などの小物にまで対応してくれる業者もありますので、自社のアパレル商品を全て検査機にかけることもできるかもしれませんので、気になる方は一度業者に問い合わせてみてはいかがでしょうか。