薬局の物流を考える
薬局の物流を考える
薬局はいまやどこかしこでも見かけます。
この発展にあわせて、薬局では物流改革が起きつつあります。
今回は、薬局の現状を踏まえたうえで、薬局の物流について紹介します。
薬局の現状
今や薬局の市場は拡大しており、ドラックストア協会の総売上は5兆円を超えるほどの規模になっています。さらに薬局のチェーン化や販売商品の増加などで今も尚、市場の成長は続いています。以前までは一般用医薬品や大衆薬(OTC)などは処方箋が無くても薬局に向かえばいつでも購入できました。さらに平成26年6月12日からは店頭だけでなく、インターネットを利用しての購入が可能になりました。
さらに現在の薬局では医薬品以外にも日用品や食品、果てはペット関連の商品など多岐にわたって商品を展開しています。
この急成長を得て、今では百貨店やスーパーなどのシェアが薬局にも流れ込んできているため、1995年に業界全体での売上が5000憶だったのに対し、現在は5兆円以上の規模を持つほどの変化がありました。
薬局の方向性
薬局が今後取り掛かっていく戦略には会社ごとに違いはあれども、ある程度の路線はどの会社も同じような展望を持っています。まず薬局の出店戦略には主に展開していく地域を決めて、その地域に集中して店舗の出店を行うドミナント戦略が行われています。さらに他者との価格競争や独自性を出さなければいけない為、各社は少子高齢化社会による健康に対してのニーズを満たすことなどを積極的に行っています。
これだけではなく、少しずつスーパーや百貨店のシェアを獲得している理由でもある、食材など利便性が高い商品の展開も積極的に行い、医薬品以外などでも気軽に訪れることが出来る店舗開発が進められています。
薬局の物流の現状と物流センター
日本の薬局には化粧品や食品、医薬品など様々な分野の商品を展開していますが、この分野ごとの商品を調達するためには、主にカテゴリーごとの卸業者から別々に取引をしていました。一括に注文できるわけではなく、多くの卸業者と取引をしている為、商品の荷受け作業から店頭検品など卸の度に同じ作業などをなんども行わなければいけない状況が続いていました。
しかし、現在ではこの仕組みを解消するために取引する卸業者はそのままに、物流だけに視点を置いたロジスティクス戦略により、様々な経路の一元化した納品形態が現在の主流になりました。
薬局などの小売業などの在庫を管理する物流センターには主に2つの種類があり、薬局などの小売業が仕入れ先から商品を入荷し在庫を置くためのDC(在庫型)と仕入れを物流センターに移動してから検品、仕分けをしてすぐに薬局等の小売店に配送されるTC(通過型)があり、扱う商品によってもDC型とTC型で別れます。基本的に商品の回転率が速い商品などはDC型で扱い、回転率の悪い日用品等はTC型が良いとされています。薬局の場合は様々ジャンルを取り扱う為、TC型が主流となっています。
新しい物流
薬局の物流のみに視点を当て改善が行われてきましたが、店舗でのオペレーション変更や商品を取引することにも目を向け
顧客サービスを第一にした物流機能を今後考慮していくことが非常に重要になってきます。まだまだ物流に関しては配送台数の増加や店舗毎に適してた作業員の割り当て、自動システムの導入など改善できる点はいくつもあり、店舗の従業員は顧客の対応や陳列作業のみしか行わずに済む簡素化が求められ、物流には様々な合理化が求められています。このように店舗と一括物流には強い関係性がある為、店舗を支えていく為の物流機能として今後は進化していくものだと思われます。
薬局は今後もさらなる発展を遂げていく
インターネット上で一般医薬品の販売などのルール改定により、薬局などのドラッグ系の物流はさらに発展し、ドラッグストア業界には更なる期待が抱かれています。薬局を運営している各社ではなんでもそろう利便性の高い薬局や、または専門性に特化した薬局作りなどで差別化されており、薬局ごとのそれぞれの成長戦略が楽しみになってくるでしょう。