発送代行とは?業務委託する際に気を付けるポイント
「自社の発送業務が追いつかない……」「在庫を保管するスペースが足りない……」そんな物流の悩みを抱えていませんか?
近年、オンラインショッピングの急成長により、物流業界は大きな転換期を迎えています。消費者はより迅速で正確な配送を求めており、中小企業では発送業務が追いつかず、顧客満足度の低下や売上減少につながるケースも少なくありません。
さらに、人手不足やスペース不足による課題もあり、効率的な物流管理の重要性が高まっています。そこで多くの企業が注目しているのが「発送代行」です。
発送代行とは、商品のピッキング・梱包・出荷・配送までの一連の業務を外部の専門業者に委託するサービスのこと。専門業者に任せることで、作業効率を向上させ、物流コストを削減しながら自社のコア業務に集中できます。
しかし、発送代行業者を選ぶ際には注意が必要です。コストパフォーマンスや柔軟性、システムの導入状況など、業者ごとの強みや特徴をしっかり比較し、自社に最適なパートナーを選ぶことが重要です。
本記事では、発送代行の基本やメリット・デメリット、失敗しない業者選びのポイントをご紹介します。最新の物流トレンドを踏まえつつ、あなたのビジネスに最適な物流パートナーを見つけるための手がかりを提供します。
目次
発送代行とは
発送代行とは、自社の商品を顧客(取引先やエンドユーザー)に送るための梱包や出荷、配送業務を専門に請け負うサービスです。
このサービスを利用すれば、物流のプロフェッショナルに作業を任せることで、効率的な発送体制を構築できます。
現代のビジネス環境では、迅速かつ正確な配送が求められており、特にオンライン販売の拡大に伴い、物流の効率化は企業の競争力を左右する重要な要素となっています。
発送代行業者に委託することで、物流コストの削減や業務効率化が実現し、企業は企画やマーケティングなどのコア業務に集中できるようになります。
発送代行業者に依頼できる業務
依頼できる業務は、主に以下のとおりです。
入荷、入庫、棚入れ
商品が倉庫に到着した際の受け入れから、適切な保管場所への配置までを行います。これにより、在庫管理の精度が向上し、欠品や過剰在庫のリスクを低減します。
検品、セット組
商品の状態をチェックし、必要に応じてセット商品の組み立てを行います。これにより、顧客に届く商品の品質が保証されます。
在庫管理
在庫の正確な記録と管理を通じて、商品の状況を常に最適な状態に保ちます。これにより、在庫回転率の向上とキャッシュフローの改善が期待できます。
帳票発行
出荷に必要な伝票やラベルの発行を行い、スムーズな物流プロセスを支えます。
ピッキング、流通加工、梱包
注文に基づき商品をピックアップし、必要に応じて流通加工を施した後、配送に適した形で梱包します。これにより、出荷ミスを防ぎ、顧客満足度を向上させます。
出荷
梱包された商品を顧客へ配送するため、運送会社への引き渡しを行います。
返品処理
顧客からの返品に対応し、商品の状態を確認した上で再び在庫に戻したり、必要な処理を施します。
棚卸
定期的に在庫を確認し、記録と実際の在庫が一致していることを保証します。これにより、在庫の精度が向上し、在庫管理コストを削減します。
これらの業務を通じて、企業の物流を全面的にサポートします。また、これに加えて、顧客対応やデータ管理など、要望に応じた付加価値の高いサービスを提供することも可能です。物流課題を解決し、ビジネスの成長を加速させるための強力なパートナーとして、その役割を果たしています。
「イメージが湧かない……」という方は、以下の記事で詳しく解説しているので、ご覧ください。
発送代行が求められる理由
発送代行が求められる理由は、主に「EC市場の拡大」と「人材不足」という二つの大きな理由があります。
EC市場の拡大
経済産業省が2023年8月に発表した電子商取引に関する市場調査を見てもわかる通り、インターネットの普及と共に、近年ではネット通販ビジネスが盛んになったことにより、「BtoC物流(一般消費者向けの物流)」でも利用されるようになったのです。
特に、自社では日々の発送業務が追い付かないと感じるEC事業者にとって、発送代行は欠かせない存在となっています。発送代行を利用することで、企業は商品を迅速かつ正確に顧客に届けることができ、顧客満足度を高めることができます。
人材不足
少子高齢化やグローバル化の影響で、物流業界では人材不足が深刻化しています。特に繁忙期には一時的に大量の人手が必要となり、人材確保が大きな課題となっています。
こうした状況を受け、企業が発送代行を利用するケースが増えています。発送代行業者に委託することで、人材不足の問題を解消し、効率的な物流運営を実現できます。
現代のビジネス環境では、発送代行は企業の成長と競争力強化を支える重要な手段となっています。
発送代行の5つのメリット
企画や販促などのコア業務に注力できる
企業はその貴重な時間を、本来取り組むべき「企画」や「販促」といったコア業務に集中できます。自社で発送業務を行う場合、時間や労力が多く割かれ、戦略立案や市場調査、新商品の開発などに十分なリソースを投入できなくなるケースが少なくありません。
特に売上が急成長している企業では、増加する注文対応に追われ、重要な業務に時間を割けないという悩みが生まれがちです。一見、嬉しい悲鳴のように思えますが、今後のビジネス拡大を考えると改善が必要です。
発送代行の利用によって、企業はビジネスの基盤強化や新規プロジェクトの立ち上げにリソースを割くことが可能になります。具体的には、次のようなメリットがあります。
企画・販促活動の強化
発送業務から解放されることで、マーケティングキャンペーンの企画や実施に集中でき、ターゲット市場へのアプローチを強化できます。
新製品の開発
開発チームは、発送業務に煩わされることなく、新しい製品やサービスの開発に専念できます。これにより、イノベーションが促進され、競争力が向上します。
顧客対応の改善
コア業務に集中することで、顧客サポートやアフターサービスの質を向上させることができ、顧客満足度の向上につながります。
戦略的パートナーシップの構築
発送業務から解放されることで、ビジネスパートナーとの協力関係を強化し、新たな市場機会を探索するための時間が増えます。
このように、発送代行を利用することで、企業は物流業務から解放され、本来のビジネス活動に集中できる環境を整えることができます。これにより、企業の持続的な成長と競争力の強化が期待できます。
在庫を保管しておくスペースが不要になる
発送代行を利用することで、自社で在庫を保管するスペースが不要になります。
在庫は委託先の倉庫に保管されるため、自社のスペースを他の用途に有効活用できるようになります。
例えば、オフィスの一角を在庫保管に使っていた場合、スペース不足による業務効率の低下や、拡大時の対応が難しくなるといった問題を回避できます。さらに、倉庫賃料の削減は直接的なコストカットにつながり、財務状況の改善にも貢献します。
また、発送代行業者に在庫管理を委託することで、入出荷作業や在庫確認、期限管理などの業務負担を軽減できます。管理精度が向上し、誤出荷や在庫切れのリスクも減少。迅速で正確な発送体制を実現できるのも大きなメリットです。
プロモーションやSALEなど突発的な出荷増でも困らない
プロモーションやSALEなど突発的に出荷件数が増えてもスムーズに対応できます。
発送代行業者は、複数の荷主の業務を請け負うため、スタッフを柔軟に配置できる体制が整っています。さらに、派遣会社との連携により、急な人手不足にも迅速に対応可能です。派遣スタッフは必要なトレーニングを受けているため、一定の品質を維持しながら出荷作業を行えます。
一方、自社で物流業務を行う場合、スタッフ数が固定されているため、急な出荷増加には対応が難しくなります。臨時スタッフを雇う場合でも、指導やトレーニングに時間がかかり、誤出荷や出荷遅延のリスクが高まる可能性があります。
その点、発送代行を利用すれば、急な需要増にも安定した出荷業務を維持できるため、顧客満足度の向上と業務効率化を同時に実現できます。
誤出荷が減るなど物流品質が向上する
発送代行を利用することで、誤出荷のリスクを大幅に減らし、物流品質を向上させることができます。
発送代行業者では、「WMS(倉庫管理システム)」を導入し、ピッキングから梱包、出荷までの作業を正確かつ効率的に管理しています。WMSは在庫や出荷スケジュールをリアルタイムで把握できるため、ヒューマンエラーを防ぎ、迅速で正確な発送を実現します。
一方、自社で物流業務を行う場合、目視による作業が中心となり、特に繁忙期にはミスが発生しやすくなります。誤出荷は顧客満足度の低下やクレーム増加につながるため、リスク管理が重要です。
発送代行を活用すれば、高度なシステムと専門的なノウハウを生かして、安定した物流品質を確保できます。
物流コストを削減できる可能性がある
発送代行を活用することで、物流コストを削減できる可能性が高まります。
発送代行業者は、業務の効率化を徹底するためにPDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を回し、ムダを排除しています。また、大量の荷物を扱うことで運送会社と交渉し、配送料を抑えるメリットもあります。
一方、自社で物流業務を行う場合は、急な出荷増に対応するための人件費や設備投資の増加が課題となります。新規スタッフの教育コストや残業の増加による効率低下も避けられません。
発送代行を利用すれば、専門的なノウハウとスケールメリットを活かしてコスト最適化と業務効率化を同時に実現できます。
発送代行の3つのデメリット
次に、デメリットを3つ紹介します。
自社に物流のノウハウが蓄積されにくい
発送代行に限ったことではありませんが、業務を委託するということは、その業務との直接な関わりが少なくなることを意味します。そのため、どうしても自社に物流のノウハウが蓄積されにくい体制になってしまいます。これは、あらゆる業務のアウトソーシングに共通する課題です。物流業務の外部委託により、日々の物流作業に関わる機会が減少し、結果として、物流業務の内製化に必要な知識や経験が社内に蓄積されにくくなります。
物流のノウハウが欠けると、将来的に自社で物流を再構築する際や、新たな物流戦略を立案する際に困難が生じる可能性があります。さらに、物流に関する内部の知識が乏しいため、発送代行業者とのコミュニケーションや交渉が難しくなることも考えられます。このため、企業は発送代行業者に依存し過ぎないよう、基本的な物流知識を維持・向上させるための研修や教育を継続することが重要です。
個人情報や機密情報が流出するリスクがある
納品書や送り状には、送付先の名前、住所、電話番号などの個人情報が含まれます。発送代行業者に業務を委託する際には、当然これらのデータを共有する必要があり、自社で管理する場合と比べると、個人情報や機密情報が流出するリスクが高まってしまいます。特に現代社会においては、情報のセキュリティは企業の信頼性を左右する重要な要素です。
個人情報の漏洩は、顧客の信頼を失うだけでなく、法的な問題に発展する可能性もあります。そのため、発送代行業者を選定する際には、セキュリティ対策がしっかりと講じられているかを確認することが重要です。具体的には、情報の暗号化やアクセス制限、従業員の教育などが行われているかをチェックする必要があります。また、定期的にセキュリティ対策の見直しや監査を行うことで、リスクを最小限に抑えることが求められます。
発送代行業者のルールに則る必要がある
発送代行を利用する際は、業者のルールやシステムに従う必要があります。
業務の効率化や品質維持のためには必要なことですが、自社のオペレーションと合わない場合、出荷タイミングや方法に制約が生じる可能性があります。
特に、柔軟な対応やカスタマイズされたサービスを求める場合には、業者の標準ルールが課題になることもあります。そのため、契約前に業者のルールやシステムが自社のニーズに合っているかを十分に確認することが重要です。
適切な業者選びと事前の確認を徹底することで、こうしたリスクは最小限に抑えられます。
発送代行業者に業務委託する費用
ここからは、発送代行業者の見積書でよく記載される項目を紹介について詳しく説明します。まれに「1出荷〇〇〇円」といったコミコミ価格で提示するところもありますが、基本的には以下の個別サービスの料金がその中に含まれています。
これらの項目を理解することで、サービスの全体的なコストを見積もり、自社のビジネスモデルや予算に最適なプランを選択する際の参考になります。また、業者選定の際には、これらの費用項目が透明に提示され、かつ自社のニーズに合った柔軟なサービス提供が可能かどうかを確認することが重要です。
入荷・検品費用
入荷・検品費用は、商品を発送代行業者の物流倉庫に入れる際に発生する費用です。
主に商品1点ごとに課金され、正しい数量が入荷されているかを確認するために必要な作業です。
検品作業では、「ハンディーターミナル」という端末を使用し、バーコードをスキャンしてデータ照合を行います。これにより、目視確認に比べて精度が高く、ミスを防げます。
「ノー検品」と呼ばれる検品作業を省略する方法もありますが、在庫数のズレや出荷トラブルにつながるリスクがあるため、発送代行業者では基本的に検品を実施するのが一般的です。
保管費用
保管費用は、発送代行業者の物流倉庫で商品を安全に保管するためにかかる費用です。
EC発送代行では、棚を設置して商品をピッキングしやすくするため、「坪数 × 坪単価」で料金が設定されることが一般的です。この場合、保管料は固定費となり、スペースを効率的に活用できればコストを抑えることができます。
一方で、BtoB向けの発送代行では、「三期制」と呼ばれる変動費型の料金形態が採用されることがあります。1か月を3期間に分け、「保管積数 × 単価」 で計算するため、入出荷頻度によって費用が変動します。
保管費用の選び方は、固定費と変動費の違いを理解することがポイントです。
固定費: 予算管理がしやすいが、スペースの無駄遣いはコスト増につながる。
変動費: 使用状況に応じてコスト最適化が可能だが、予測が難しい場合もある。
発送代行を選ぶ際は、自社の保管ニーズや商品の特性に合わせた料金プランを確認することが重要です。
流通加工費用
流通加工費用は、商品を流通させる過程で、商品に付加価値を与えるために必要となる費用です。具体的には、商品の検針・X線検査、検品、加工、補修などがこれに当たります。
たとえば、アパレルの場合は、海外から日本に商品を輸入してから問題が発覚することが多く、委託先の物流倉庫でこれらの作業を任せる場合も少なくありません。流通加工費用は一般的に「商品数」もしくは「作業数」に応じて料金単価が設定されます。これは、加工や検査が必要な商品の量や、行われる作業の種類と複雑さに応じて、料金が決定されるためです。
流通加工は、商品の品質を確保し、最終的な顧客満足度を高めるために非常に重要な役割を果たします。
ピッキング費用
ピッキング費用とは、商品の注文に応じて倉庫スタッフが棚やパレットから商品を取り出すときにかかる費用のことです。ピッキング作業は物流の初期段階であり、この段階でのミスは出荷遅延や誤出荷といった問題を引き起こす可能性があるため、非常に重要です。
ピッキング費用を請求しない発送代行業者も存在しますが、その場合、次に紹介する「梱包・出荷費用」の中にピッキング作業のコストが含まれていると考えてください。
梱包・出荷費用
梱包費用は、商品を梱包する際にかかる費用です。梱包費用には、商品を保護するための梱包材料のコストや納品書や送り状の発行も含まれます。また、ECビジネスの場合は、商品のラッピングや熨斗対応などもここに含まれるでしょう。
なお、BtoCの場合、ブランドイメージを反映させるために企業によっては自社専用の宅配袋や段ボールなどを使う場合もあります。その場合は、荷主が梱包資材を用意することが多いです。
出荷費用は、梱包した商品をヤマト運輸や佐川急便といった運送会社に引き渡す際にかかる費用のことです。梱包・出荷費用は、商品を顧客に届けるための直接的なコストであり、ECビジネスにおいては特に、顧客満足度やリピート率に直結する要素です。
運送費用(配送費用)
運送費用(配送費用)はその名のとおり、運送にかかる費用のことです。実質運送会社に支払う費用であるものの、多くの場合、発送代行業者を通じて請求されます。基本的には、発送代行業者と配送会社の間で交わされた契約運賃を提供することが多いです。なお、通常よりも割安な運賃でサービスを提供できることもあります。
運送費用の削減は、発送代行サービスを利用する大きなメリットの一つです。運送コストの最適化を図ることで、企業は物流コスト全体の削減に寄与し、より競争力のある価格設定やサービスの向上につなげることが可能になります。
システム費用
システム費用とは、商品を出荷するために必要となる「システムの導入」や「運用保守にかかる料金」のことです。特にBtoB向けでは、納品先によって特定のシステム使用が求められる場合があり、その導入や維持費用を荷主が負担するケースが一般的です。
また、多くの発送代行業者は「WMS(倉庫管理システム)」を導入しており、正確な入出荷や在庫管理を実現しています。このシステムを活用することで、荷主側の業務負担も軽減されますが、保守やアップデートに伴う費用がシステム利用料として請求されることがあります。
なお、発送代行業者の見積書に「システム費用」が記載されていない場合でも、他の項目に含まれているケースもあるため、費用項目の内訳は事前に確認が必要です。
発送代行サービスのコストを正確に把握し、自社に合った業者を選ぶためには、これらのシステム費用をしっかり確認することが重要です。
発送代行業者に業務委託するタイミングは?
では一体、どんなタイミングで業務委託を検討すればよいでしょうか。
ここでは、業務委託を検討するタイミングとして、以下の3つを解説します。
日々の発送業務が追い付かない
日々の発送業務が追い付かなくなったら、すぐに業務委託を検討しましょう。発送が遅れると、顧客からクレームが来るかもしれません。特にECの場合、ショップや商品のレビュー(顧客からの評価)が悪くなってしまうと、今後の売上に悪影響を及ぼしてしまいます。また、発送の遅れはブランドイメージの低下にもつながります。
BtoBの場合は、これまで取引先との間で築いてきた信頼が失われてしまう恐れがあります。納期を守れないことが原因で、重要な取引先を失うリスクもあります。こうした問題を回避するためにも、発送代行を活用して安定した発送体制を構築することが重要です。
在庫管理に課題を感じる
在庫管理に課題を感じたときも、業務委託を検討するタイミングです。在庫管理が正しくできていないと、発送業務に支障をきたします。例えば、「商品が見つからない」「在庫が足らない」といった状況では、発送が遅れてしまいます。納期に間に合わなければ、顧客を満足させることはできません。
在庫の不一致や管理ミスは、在庫回転率の低下やデッドストックの増加を招く可能性もあります。これにより、資金繰りが悪化することもあります。発送代行業者に委託することで、在庫管理の精度が向上し、効率的な在庫運用が可能になります。
発送コストが利益を圧迫している
発送コストが利益を圧迫しているなら、業務委託することで解消できる可能性があります。発送代行業者は物流のプロであり、効率的に発送業務をこなすことができます。自社での発送コストを正確に把握し、無駄なコストがかかっていないかを確認することが重要です。もし、自社でのコスト管理が難しい場合、倉庫代、人件費、梱包資材費、運送費などから、発送1件あたりの費用を算出してみましょう。
発送代行業者は大量の荷物を取り扱うため、運送会社と有利な契約を結ぶことができ、コスト削減効果を享受することができます。業務委託したほうが、結果的に安くつくこともあります。
発送代行業者に業務委託する際の3つの注意点
自社に適した発送代行業者を選ぶのは簡単ではありません。
ここでは、業務委託する際に最低限注意すべき点を紹介します。
ホームページの情報だけで選ばない
まず、選定する際にはホームページの情報だけで選んではいけません。ホームページからはその業者の表面的な部分しか見えないため、実際のサービス内容や業務の質を総合的に把握することは難しいからです。
たとえば、ホームページ上では一見料金が魅力的に見えたり、サポートも充実しているように見えることがあります。しかし、実際に委託すると追加料金が発生したり、期待していたサポートが得られなかったりすることがあります。このようなギャップから「イメージと違った……」と後悔することもあるのです。実際のサービス品質や対応力を確認するために、実地見学や他の顧客のレビュー、口コミなども参考にしましょう。
価格が安いという理由だけで選ばない
価格だけで選んではいけません。「安かろう悪かろう」ということわざがあるように、安いのにはそれなりの理由があるためです。例えば、「システム連携が思うようにいかない」「誤出荷が多い」「出荷キャパシティが低く、ピーク時に対応できない」など、さまざまな問題が発生するかもしれません。
価格が安い業者はコスト削減のためにサービスの質を犠牲にしている場合もあります。せっかく委託したにも関わらず、後悔する結果にならないよう、価格とサービス内容のバランスをよく見極めることが重要です。特に、自社のニーズに合った柔軟な対応ができるかどうかを確認することが大切です。
見積書を信じすぎない
発送代行業者から提示された見積書は、あくまでもその時点での荷主の状況から算出した作業単価です。ビジネスの成長や季節による販売量の変動など、出荷件数の増減によって単価が変わる可能性もありますので、事前に契約内容を入念に確認する必要があります。
「初めは費用が安いと思って契約したのに、あとから値上げを要求された……」という話は、物流業界ではよく聞く話です。見積書の内容だけで判断せず、将来的なコスト変動や追加料金の可能性を考慮に入れた上で契約を結ぶことが重要です。また、定期的に契約内容の見直しを行い、必要に応じて再交渉することも効果的です。
発送代行業者を選ぶ際には、これらの注意点を踏まえ、自社に最適なパートナーを見つけることが重要です。しっかりとした準備と調査を行うことで、発送代行を最大限に活用し、ビジネスの成長を支える強力な物流体制を構築することができます。
失敗しない発送代行業者の選び方
それでは、失敗しないために5つのポイントを紹介します。
実績から選ぶ
まず、発送代行業者の実績を確認しましょう。
発送代行業者と一口に言っても、業者によって得意分野が異なるためです。
たとえば、「取扱商材」によって発送代行業者に求めるものは異なります。
また、発送代行業者によって得意とする「保管方法」が異なります。
基本的にBtoBだとケース保管になり、BtoCだと棚保管になるので、そもそもの仕組みが異なるのです。
さらにECの場合、各種ECシステムとの連携が必要になります。
発送代行業者によって導入しているWMS(倉庫管理システム)が異なるため、自社が求めるECシステムと連携できるか確認しましょう。
倉庫を見学する
契約前に実際の現場(物流倉庫)が見学可能な発送代行業者もあります。
業者選びで失敗しないためには、倉庫見学は必須です。
ホームページが整っていても、現場が整理されていない場合は誤出荷や異物混入などのミスが発生しやすくなります。
発送代行は、自社の商品という大切な資産を第三者に預けるサービスです。そのため、品質管理が徹底されているかを「目」で確認することが必要です。
また、スタッフの働きぶりや教育体制もチェックしましょう。私語が多い現場や整理整頓が行き届いていない倉庫では、高い物流品質を期待できません。
発送代行業者を選ぶ際は、システムや設備だけでなく、現場の管理体制とスタッフ教育が行き届いているかを見極めることが重要です。
発送の指示方法やルールを確認する
急ぐあまり、焦って契約してしまう方もいますが、あとでトラブルに発展する恐れがあるので、先に詳細を確認するようにしましょう。特に、「入出荷指示の方法」や「当日出荷の締切時間」など、実際のオペレーション部分の認識が異なると、業務レベルで問題が出てきます。
最悪の場合、数日で発送代行業者を乗り換えなければいけなくなることもあります。そうなれば、在庫を他の倉庫に移す費用など、本来かからなかった無駄な費用が発生してしまいます。業務を円滑に進めるためには、事前に詳細なルールや指示方法を確認し、双方の理解を一致させることが重要です。
保管や出荷キャパシティーを確認する
物流のプロに委託するということで、自社以上のパフォーマンスを期待するのは当然です。しかし、商品の保管数や出荷キャパシティーが予想以上に低かったらどうでしょうか。「こんなはずじゃなかったのに……」と後悔することになります。委託時点の在庫数や出荷件数だけを頼りに業者を選ぶのではなく、最低でも1年後の数字を予測して、それに耐えうる業者を選定するようにしましょう。
将来的なビジネスの成長を見越したキャパシティーの確認が必要です。例えば、セールやプロモーション時の急激な出荷増加にも対応できるかどうかを確認しておくことが重要です。
実際の請求シミュレーションを提案してもらう
見積書に記載された作業単価だけで請求金額を算出してはいけません。発送代行業者の中には、こちらが作業料金に含まれていると認識しているものでも、「オプション扱い」としている場合があります。そのため、あとになって見積書からは全然想像つかない金額を請求されることもあります。
一番良いのは、見積りと同時に、実際の請求金額をシミュレーションしてもらうことです。そのシミュレーションを前提に話し合いを進めることで、双方の認識を限りなく近づけることができます。例えば、定期的な在庫棚卸しや特定の梱包材の使用など、細かな点についても確認し、予想される費用を具体的に把握しておくことが大切です。
発送代行業者を選ぶ際には、これらのポイントをしっかりと押さえ、自社のニーズに最適なパートナーを見つけることが重要です。しっかりとした準備と調査を行うことで、発送代行を最大限に活用し、ビジネスの成長を支える強力な物流体制を構築することができます。
発送代行なら弊社トミーズコーポレーションにお任せ
発送代行業者をお探しなら、弊社トミーズコーポレーションにお任せください。
弊社の特徴は、以下のとおりです。
物流29年の実績
弊社トミーズコーポレーションは、物流29年の実績がある発送代行業者です。これまでに培った豊富な経験とノウハウを活かし、アパレル業界を中心に、生活雑貨や家具など常温管理できる幅広い商品を対象に、企業の発送業務をサポートしています。安心してお任せいただける体制を整えています。
EC特化のクラウドWMS「BEELOGI(ビーロジ)」を導入
弊社では、ECに特化したクラウドWMS「BEELOGI(ビーロジ)」を導入しております。このシステムにより、Amazonや楽天市場といった「ECモール」はもちろん、futureshopやShopifyなどの「ECカート」ともスムーズに連携が可能です。さらに、社内にSE(システムエンジニア)が在籍しているため、貴社の基幹システムとの連携にも柔軟に対応いたします。これにより、効率的な在庫管理と出荷業務を実現します。
BtoBとBtoCの両方に対応!在庫の一元管理も可能
弊社は、BtoB(卸)とBtoC(小売)の両方の発送代行に対応しています。また、BtoBとBtoCの在庫を一元管理することで、機会損失を防ぎ、物流コストの削減が可能です。在庫の一元管理により、在庫状況を把握し、最適な出荷計画を立てることができます。
流通加工や撮影など付帯業務にも対応
弊社では、流通加工として検針・X線検査、検品、加工、補修に対応しています。さらに、物流倉庫の近くに大型の撮影スタジオを併設しており、商品の物撮りやモデル撮影にも対応可能です。これにより、商品の品質チェックから販促素材の作成まで、ワンストップで対応することができます。
南大阪の立地を活かしたハイスピード物流
南大阪に複数の物流拠点を設けており、関西国際空港から20分、南港から30分の好立地を活かしたハイスピード物流を実現しています。物流拠点の立地は、翌日配送可能なエリアを広げるために非常に重要です。大阪の立地を活かすことで、東京に比べて翌日配送可能なエリアが多く、迅速な配送サービスを提供できます。
専門的なサポートも充実
弊社トミーズコーポレーションでは、物流拠点を集約すべきか、分散するべきかといったお悩みを抱える企業様に対しても、専門的なサポートを提供しています。最適な物流戦略を一緒に考え、貴社のビジネス成長を支援いたします。
発送代行業者を選ぶ際には、実績やシステムの導入状況、立地条件などを総合的に考慮することが重要です。弊社はこれらすべてにおいて高い水準を持ち、貴社の物流業務を強力にサポートいたします。ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。
まとめ
この記事では、発送代行の基礎知識やメリット・デメリット、業者選びのポイントについて解説しました。
発送代行とは、自社の商品を顧客に送る際の梱包や配送業務を専門業者に委託できるサービスで、物流業務の負担を軽減しながら、品質向上やコスト削減を実現します。発送代行を利用することで、作業負担が軽減され、コア業務に集中できるほか、最新システムによる誤出荷防止や効率化によって物流品質が向上し、専門業者ならではのノウハウでコスト削減も可能です。一方で、業者のルールに従う必要があることや、情報セキュリティリスクが高まる点がデメリットとして挙げられますが、実績や倉庫環境、運用ルール、料金体系を事前に確認することでリスクを最小限に抑えることができます。
発送代行業者を選ぶ際には、実績や取扱商材の適性、倉庫の整理状況、出荷キャパシティなどを確認し、将来の成長を見据えた運用体制や料金シミュレーションを基に慎重に判断することが重要です。
トミーズコーポレーションは、29年の実績とEC特化型クラウドWMS「BEELOGI(ビーロジ)」を活用し、BtoB・BtoCに対応した在庫管理や流通加工、撮影サービスまで提供するハイスピード物流を実現しており、南大阪の好立地を活かして企業の成長をサポートします。
最後までお読みいただきありがとうございました。発送代行の導入を検討する際の参考になれば幸いです。ご不明点があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください!